音読する中学英語

中学英語とオンライン勉強会について記録するブログです。

教科書の活用

こんにちは。今回は学生にとって身近な教科書を活用することについてです。

中2の勉強を教えていると、これは中1で確かやってるはず・・・かな?とあやふやに思うことが増えて、中1の英語と数学の教科書を新たに買いました。

英語300円、数学600円ぐらいです。教科書販売店で誰でも買えます。気軽に買える値段がいいです。 

学び直しに使える教科書

以前、池上彰さんの本で、大人が歴史を学び直すには高校の日本史A、世界史Aの教科書を読むのが最適、との助言を読んだことがあります。それで、教科書販売店の存在が身近になりました。

受験用として用いられる日本史B、世界史Bの教科書は分厚く、文章は淡々としています。最近は日本史Bに基づいた、大人向けの教科書も見かけますよね。

新 もういちど読む 山川日本史

本屋で見ると、分厚いな~と思ってしまいますが。

それに対して日本史A、世界史Aは薄いです。文章も読みやすいです。写真や図表がたくさん載っていて、資料集がいらないと思うほど。雑誌感覚で読めます。

日本史A近現代史に焦点を絞っているので、旧石器時代から江戸時代中期までをたった6ページでまとめています。大人の教養として、最近100年ぐらいの歴史を最低限知っておくと良い、と池上さんは助言されていたように思いますが、その考え方と合います。

第一学習社のものを買いましたが、出版社のサイトで試し読みが出来ますのでリンクを載せますね。600円ぐらいです。 

教科書のご案内(地歴)|第一学習社(教科書ダイジェスト版のカタログで)

(教科書の買い方は過去記事にて 中学英語を教える )

教科書を活用する

池上さんは英会話の勉強も、中学英語の教科書の音読、暗唱から取り組んだそうですが、改めて中学英語、数学の教科書を読んでみると、よく出来ているなあと思います。

ですが、大人が使う場合は別として、学生の場合、学力、理解力によって、自習で使いこなせるかどうかは変わるので、教科書の利点と注意点を知った上で使うべきと感じます。 

利点は、やはり3年分3冊で段階的に学べるように綿密に設計されていて、それを習得すれば一般的な入試には対応できる、という点です。

英語の教科書で言うと、

  • 文法、単語、熟語が基本例文、本文の中に計画的に散りばめられていて、それを通じてリーディングに必要な知識を段階的に吸収できる
  • 対話文を読み上げた音声を聞き、声に出して読むことで、リスニング対策になる
  • スピーチやEメールなどのモデル文を音読し暗唱することで、英作文の対策になる

などでしょうか。これは中学だけでなく、高校のコミュニケーション英語の教科書にも言えます。

 一方、注意点は次の点です。

  1. 文法の解説が乏しい(検定外教科書は詳しいと思いますが)
  2. 音声がない
  3. 日本語訳がない
  4. 内容が豊富すぎて身につかないおそれがある

文法の解説が乏しい

1については、先生からの詳しい解説があることが前提だからと思いますが、文法の解説は本当に乏しいです。副教材のワークも、文法の解説は簡潔で、問題演習が中心。
解答だけで解説もないです。

つまり、文法が分からないとき、手軽に参照できるものが無いです。ですから、教科書で自習するときは状況に応じて、

  • 文法解説が付いたワーク教材
  • 教科書ガイド
  • 文法参考書
  • 映像授業
  • 誰か教えてくれる存在

などの何らかの手段が必要と思います。

次の2音声と、3日本語訳への対応は以前の記事で触れた通りです。(中学英語を教える先に日本語訳を読む) 

内容が豊富すぎる

4内容が豊富すぎる点ですが、基本例文と本文以外にも「聞いてみよう」「書いてみよう」「友達と話してみよう」みたいな練習問題が頻繁に出てきます。

この取り組みは有意義なことですが、次の点がすごく気になります。

  • まず基本文や本文の文法の理解はできたか
  • 単語、熟語の意味、発音は確認できたか
  • 基本文と本文の音声を聞いて、何度も音読できたか
  • 基本文は日本語から英語にできるか

私が教えるとき、日本語訳を先に渡して、基本文と本文に絞ってやりますが、それでも結構な時間を要します。これらを日本語訳を与えずに、大人数に対して一から説明して、その上で話す練習問題までやるって、学校の先生の苦労はすごいと思います。 

必須課題を習得する

盛りだくさんの教科書ですが、巻末で基本文だけを抽出して、その英文、和文を4ページにまとまめてくれています。

極端に言うと、この4ページを、 英語から日本語、日本語から英語に訳せて、聞けて、書けて、話せられれば、最低限の文法を習得したと言っていいと思います。
ですが、あれもこれもやっていると、この必須課題すら習得できない可能性もあります。

入試問題も、基本的には教科書から出ます。注意して、必要な優先順位付けと、補充をしてあげさえすれば、教科書は効果的な手段となります。周りの誰かが少し手を貸すことで、本人の負担が軽くなり、勉強が苦手な子も理解度、定着度が増します。 

池上さんの歴史の学び直しと教科書について東洋経済オンラインに記事がありました。リンクを載せますね。

toyokeizai.net