音読する中学英語

中学英語とオンライン勉強会について記録するブログです。

「できること」が増えると「好き」になる

期末テスト前なので今月は中2の英語、数学の教科書をやっているのですが、中1英語や算数ドリルをやっていたときに比べると、表情や発言からも、アキの英語と数学への意欲がわかりやすく低下しています。

何というか、どんよりしてる。やっぱり難しいもんね。

やさしい問題を解いて英数への自信を少しずつ取り戻していたのに、中2の問題を解いて意欲が低下するという。英数は一旦遅れると厳しいんだなと認識させられます。

 

ときどき読み返す本が何冊かあるのですが、そのうちの1冊の著者(脳神経外科医の方)が書いた、別の本を最近新たに読んでいます。

意欲を高めることについて、ちょうどいまのアキの状態を示していて、勉強が苦手な子全般にあてはまるだろうなと思う記述があったので、少し長いですが引用します。

人が何かを好きになっていく過程について、算数ができない子を例に挙げて説明されています。

◇「できること」が増えると「好き」になる

 

(中略)

 そういう「できないこと」にいつまでも向き合わされていると子供の脳は動かなくなってきます。目の輝きが失われ、ここから逃げ出したいとしか思えなくなってくる。
 こうなっているときに、「おもちゃを買ってあげるよ」などと目の前にご褒美をぶら下げても無駄でしょう。「できないこと」に対する意欲は起こしようがないのです。
 しかし、そういう子どもを親や学校の先生が放課後などに上手く指導してあげて、「できること」をまずは一つつくってあげる。そうすると、その子の脳は、算数の授業中、ともかくその「できること」をやろうとして、動くようになります。
 自分の力で問題が解けたという成功体験は、脳に快の刺激をもたらしますから、もっと問題を解きたくなる(快・不快の判断に深く関わっているのは、扁桃体という器官です)。
 成功体験を積み重ねながら、同じ種類の問題を繰り返し解いているうちに、そのことに関する脳内のネットワークが強化されます。もっと速く、確実に解けるようになるわけです。

 

(中略)

 

 そうやって、自分が「できること」「自信があること」が増えれば増えるほど、脳がよく動いている時間が長くなり、快の感情が大きくなり、算数の勉強を好きになっていく。その「好き」という感情が、辛さや大変さを乗り越えさせる意欲を生むのです。
 この原則は、当然、大人になってからでも変わりません。

 

引用元 築山 節 (2008)『脳と気持ちの整理術 意欲・実行・解決力を高める』NHK出版生活新書 pp21-24

なお、意欲を高めるためには、まず健康(睡眠、食事、運動)が何より大切であることがこの記述の前に書かれています。

 

勉強が苦手な子を教えてみて私が学んだことのひとつは、大人の側が「これくらいはわかるだろう」という予断を持たないことです。

テストの点数が低迷し、その教科を大嫌いな場合、教材はできる学年まで思い切ってさかのぼり、内容のレベルも思い切って下げるのが、結局は近道かもしれません。

そのためには、

  • 本人の学力の評価(どこまでできて、どこからできないのか)
  • 復習が必要な単元の把握(数学の復習で足りるのか、算数の復習も必要か。算数のどの単元をやるのか)

が必要です。

ここが素人目には難しいところで私も手探り状態なんですが、経験豊富な指導者ならおそらくすぐにわかるので、学校の教科担当の先生や、塾の体験入学でチェックテストを受けるなどして、詳しい人に助言を得るのも手だと思います。

 

最近使っている中2の入門用の教材も、半年前の私なら「いやいや、いくらなんでもこれは簡単過ぎるでしょ。説明も問題も少なすぎるし」とためらうものですが、いまなら「アキにはこれだ!これしかないっ!!」と思います。

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どちらも、せいせいするほど簡潔明瞭です。
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教科書や学校のワークが難しく感じる場合、その準備段階にはこれぐらい軽い内容のものが使いやすいです。

ここまで照準を本人に合わせて敷居を低くすると、少し一緒に読んだり解いたりしているうちに、本人が「できる」感覚を得て、勝手にその教材をやり始めたりします。これは本屋さんで本人に教材をみてもらい、これならできそうだと感じたものを選ぶとより確かです。