中学英語の入門参考書
中1英語を復習してもらうにあたり、中1のとき使った教科書の利用も考えたのですが、教科書の文法の解説はかなり簡潔なので、苦手な子にはハードルがなかなか高いんですよね。そこで市販の参考書を用意しました。
選んだのは「わからないをわかるにかえる中1英語」です。
次のリンクの出版社サイトで立ち読みできます。
わからないをわかるにかえる 文理(立ち読み)
1 わからないをわかるにかえる 中1英語(文理)
書店では似た商品がたくさんあって目移りしますよね。入門書の位置づけなので、どれを選んでもほぼ同じだとは思いますが、あえて他の商品と比べてこの本が良いと思った点を挙げると
- 見開き左ページの解説の分量が多すぎず、少なすぎず読みやすい
重要なことは大きな字でばーんと、やや細かいけど大切なことは小さめの字でちゃんと書かれている - 見開き右ページの問題が、穴埋め→並び替え→英作文の順に並んでいて、段階を踏むことで苦手な子も取り組みやすい
- 練習問題全てを読み上げた音声CDが付いている
- フルカラーなのに色使いが抑えめで見やすい
- 章末問題、リスニング問題、単語カードなどもあり工夫されている
- イラストが描かれていて分かりやすく親しみやすい
最終的にはいくつか並べて本人に選んでもらいましたが、本人もこれを一番気に入りました。フルカラーなのは、大人が思う以上に大事みたいです。
表紙に「基本からつみあげる。予習復習!つまずきの解消に!」と書かれていますが、本当にその通りに使えると思います。
取り組み方はだいたい以下の順です。
- 左ページの文法解説を、例文を中心に簡単に説明する
- 右ページの問題を一緒に解き、疑問点をフォローする
- 答えを入れて完成した問題文を読み上げ、読み方を確認する
- 音声CDを使い音読してもらう
説明を聞いて問題を解いただけだとすぐに忘れるので道半ばです。答えを入れて完成した英文の音声を聞いて、音読することを重視します。練習問題全てを読み上げた音声CDが付いているのは、その点でポイントが高いです。
勉強が苦手な子でも取り組めそうな入門書で、他に良いなと思ったのは次の2つです。
2 ひとつずつ すこしずつ ホントにわかる 中1英語(新興出版)
この参考書は他のものより、解説、問題の分量をもっと絞っています。苦手な子で、長い解説を読むのは嫌だという場合、これぐらい情報量が絞り込まれているものが入りやすいかもしれません。
次のリンクの出版社サイトで立ち読みできます。
ひとつずつ すこしずつ ホントにわかる(立ち読み) | 新興出版社
参考書と連動した映像授業もYoutubeで公開されています。解説ページをゆっくり読みあげながら、一緒に解いて行く感じです。1コマ5分~10分程度。
ホントにわかる~動画授業配信サイト(動画一覧)
【新興出版社】 ホントにわかる 中1英語 1 英語の文・be動詞
なお、最近改訂されて、動画はスマホアプリでのみ見るように変更されたようです。ですが、新しいアプリ版のサンプルを見たところほぼ同じ感じですので、旧版のYoutubeもまだ使えそうです。
ホントにわかる(動画の視聴方法)改訂版サンプル
3 中1英語をひとつひとつわかりやすく。(学研)
一番売れているのがこの参考書でしょうか。類書の中では出版年は古く、似た商品が発売されるきっかけとなった元祖という感じです。解説部分が、上記2冊は学校の授業を分かりやすくまとめたものとすれば、こちらは従来の枠にとらわれず、もっと直感的にわかるように説明されている印象です。練習問題全てを読み上げた音声CDも付いています。
次のリンクの出版社サイトで立ち読みできます。
【特集】ひとつひとつわかりやすく。|学研出版サイト
こちらも連動した映像授業がYoutubeで公開されています。1コマ3分程度。文法のポイントを突いて説明する感じです。
この本はバイリンガルの山田暢彦さんが監修され、動画でもご本人が説明されています。こういう方がもし最初の英語の先生なら、英語が嫌いな子は激減すると思うんですけども。
最近は中学以前に、小学校の授業で英語嫌いになることもあるので困ったことです。
【解説授業】中1英語をひとつひとつわかりやすく。 01 「主語」と「動詞」とは?(Youtube)
【特集】ひとつひとつわかりやすく。_動画|学研出版サイト (動画一覧)
選んだ基準
どれも工夫されていて良い参考書と思うのですが、自分なりに選んだ基準を挙げると
例文か、練習問題の文章を読み上げた音声CDが付いている
最も重視した点です。音声ダウンロード形式も良いですが、中学生にはCDが扱いやすいかなと思います。安くて小さいCDプレーヤーを用意します。
解説の分量が簡潔すぎず詳しすぎず適量か
分かりやすくしようと思うと解説の量が増えますが、苦手な子は読まないんですよね。ただ簡潔すぎても、なんでそうなるかが分からない。
本人が気に入るか
なんだかんだ言ってここが大きいです。本人はフルカラー印刷のものにひかれていました。
高校入試の傾向
いずれにしても、文法問題を解いて終わりではなく、音声を聞きながら音読して、英語の音声と語順に慣れることを目的に使っています。
大学入試では顕著ですが、高校入試でも文法単独の一行問題の出題は減少傾向です。配点があるのは長文、対話文、リスニング、英作文です。
基本的な文法の練習をしたら、ワークで文法問題をたくさん解き続けるのではなく、まとまった分量の文章を読み単語、熟語、慣用表現に触れること、音声に慣れること、例文暗唱で英作文で使える用例を増やすことに意識を向ける必要があります。この点は学校や塾でも、指導者によって取り組みの温度差が大きいので注意が必要です。
最後に東京都と大阪府の公立高校入試問題のリンクを載せます。ご参照ください。