音読する中学英語

中学英語とオンライン勉強会について記録するブログです。

中学生の「学校の英語がわからない」状況について

今月は期末テスト対策を取り入れて中2の内容をアキと勉強しています。基礎が出来ていないので、無理があるよなあと思いながらの強行ですが。

一人でもサクサクできた中1英語の問題集とは勝手が違い、中2英語の教科書となると一気にわからないことだらけです。

「英語の教科書勉強してないんじゃない? ここ先週ちょっと説明したところだけど…」

「うん。だって英語のテスト捨ててるもん。学校の授業全然わかんないし」

「!」なに~。あっけらかんと。

半年前ならわかるんですけどね。でも、いまは教科書ガイドとCD、簡単な入門書もそろえているので、授業が分からなくても自分で対応できる手段は用意してます。

 

アキと話していて、特に問題だなーと感じたのは、学校の授業やテストの意図するところと、本人の取り組み方が大きくズレていること。

学校の先生の指導は、英語を理解するだけではなく、英語を使う、できることを目的としているんですね。

だから、授業も試験も英文の内容の理解はほどほどに、英文の暗唱、会話の練習、和文を英文に訳せみたいなことが中心となってきます。小テストも教科書の英文を暗唱すると解けるような、和文を英文にどんどん訳すものが多いです。それ自体はいいことなんですが。

 

問題はそういった授業、テストへの取り組み方です。

アキの場合、英文の内容がわからなくても、どんな意味の文章か理解しないまま、山をはって、教科書の出題されそうなページの英文を丸暗記しようとするんですね。まるで記号の羅列を覚えるような作業をしようとするわけです。

そして、丸暗記すると小テストではそこそこ得点できてしまう。だから、定期テストもそれをやらなければ何も書けないのでまずい、と思うようなんです。

意味もわからないまま英文を暗記してテストを受けるって、それはそれですごいなと思うんですが…。

英語のテストで平均点を取れていない中学生の、英語がわからない、授業についていけないって、いまはこうゆうことになっているのかも、と思います。

昔は、予習で教科書の英文をノートに写して、分からない単語を辞書で引いて、英文の和訳を自分なりに作り、授業は訳読の解説が中心という時代もありました。

その是非は別として、授業で説明を聞けば教科書に何が書かれているか、最低限の内容の把握は出来たはずですが、いまはそれと状況が異なる。

 

英語がある程度できる子にとっては、英文を暗唱した上で、話したり、書いたりする、アウトプット重視の授業は実践的で有益でしょう。ですが、できない子は適切なインプットがないまま、わけも分からず記号を覚え、吐き出し、忘れるの繰り返しになってしまう。

アキのクラスの英語の中間テストの得点分布表をみると、30点未満の子が1クラスに10人以上もいる。たぶん、その子達はみんな似たような状況にあるんだろうと思います。

授業受けるの、めちゃくちゃきついだろうな。

 

まず、教科書の英文を声に出して読めること、英文の意味がわかること。そこがスタートだよと伝えました。

言葉にするとあたり前のことですが、アウトプット中心の授業やテストに無理やり対処するうちに、文章の意味が欠けたまま、英文を記号のように暗記することが英語の勉強と思ってしまっている。

それじゃあ英語大嫌いでも仕方ないよね。

日本語訳を読んで、単語熟語と文法を確認して、何度も文章を読み込んで。そうしているうちにだんだんと、ぼんやりと覚えてくるから。

今回は教科書1ページでもいいから、わかる感覚を体験できたらいいなと思います。